【動き出す三角合併・上】内外から買収の脅威

2007.4.24 YOMIURI ONLINE

合併相手の株主に、対価として親会社の株を割り当てる「三角合併」が5月から解禁される。外国企業が自社株を使って日本企業を買収できるようになる。新たなM&A(企業の合併・買収)手法で、外資による買収攻勢が強まるのか、企業経営はどう変わるのか。

・・・・(記事の転載ここまで)

この手の話が出てくるたびに、私はいつも不思議に思うことがあります。

「企業防衛」とは「いったい誰が、何から何を守るのでしょう?」と・・・・・・・。

私から言わせれば、日本の「企業防衛」とは、「日本人経営者が自分の立場と給料を守ること」にすぎないと思っています。

また、企業にとって、特に上場企業にとって、一番大切なことは「雇用の確保」であり、次が「税金を支払うこと」だと私は考えています。

従って、経営者の「目の色」が何色なのか、とか、「資本の色」が何色なのか、とかはどうでもよいことなのです。

山一證券のように倒産して、従業員が路頭に迷うのと、ゴーンさんのように倒産寸前の日産を建て直し、雇用を確保し、日本国にたくさん税金を支払っている企業のどちらが国家国民にとって有益なのでしょうか?

雇用を確保し、税金を支払える優秀な経営者であれば、国籍などどうでもよいのです。現に日本にもたくさんの外資系企業が、日本国内に会社を設立し、工場を建て、雇用を確保しています。日本からもトヨタ、ホンダ、ソニー、パナソニック、その他数多くの企業が海外に進出し、現地企業を買収したり、新規に企業を設立したりして、多くの雇用を創造しています。

何がいけないのでしょうか?

日本人は、「外資」というとすぐに「ハゲタカファンド」と結びつけ拒絶反応を示します。

確かに「売り抜け」だけを狙った投資ファンドも存在します。しかし、それは、その会社の資産を有効利用できていない、日本人経営者の怠慢や無能を指摘され、狙われているだけのこと、と私は考えます。

どこの国の人であれ、自分が大金を出して買った”もの”が、買った直後に価値が暴落することなど望むでしょうか?

つまり反株主・反従業員・反社会の行動をとって、トラブルを起こし、会社の価値を半減させることを「買った本人」が望むでしょうか?

長い間、「鎖国」をしていた日本の”会社市場”にも黒船が到来し、真のグローバリゼーションの波に揉まれる時代がやって来た、ということだと私は考えています。