企業はPCを3年以内に買い換えるべき――報告書が指摘

2009.7.7 ITmedia News

古いPCを使い続けると、メンテナンスコストやセキュリティリスクの上昇、生産性の低下などで余分な経費が掛かることが明らかになった。

・・・・(記事の転載ここまで)

この調査は世界7カ国の630社の企業を対象として今年3月に実施されたものだそうですが、その報告書によると、「旧式のPCを使い続けた場合、エンドユーザーの生産性低下による損失は9600ドル(90万円)に上る」とのことです。

ここではこの9,600ドルが何に対してなのかが明確ではないのですが、恐らく1人のPCユーザーが、パフォーマンスの落ちたPCを使い続ける間に蒙る経済的損失のことでしょう。

3年以上使っているデスクトップは、3年未満のPCに比べて

・不正ソフトウェアやウイルスの攻撃にさらされやすい。
・ネットワークカードの故障を経験する回数が8倍近く多い
・電源の故障が多い
・マザーボードの故障が多い
・ソフトウェアのクラッシュが多い

また、「多くの企業では、買い換えコストの削減のために、ノートPCの使用寿命を推奨期間の3年間から5年間に延長している。ノートPCの使用期間を3年からさらに2年延長すれば、実際には1台当たり960ドルの追加費用が発生し、これは標準的な買い換えコストと変わらない」とあります。

実際、ほとんどのハードウェアは発展途上国で生産されているため、生産コストは安いのですが、その修理等のメンテナンス費用は、人件費の高い先進国で行うため、当初の機器全体の購入価格に比べて、メンテナンス費用が「バカ高く」なるのはもはや現代の常識でもあります。

また、PCのパフォーマンスが落ちたり、トラブルが発生すると、仕事の能率は急落し、思わぬ損失を蒙ります。これは仕事とPCが切っても切り離せない状態にある翻訳業界にあっては大変深刻な問題です。

一方、この調査を額面どおり受け取れない面もあります。本当にPCの寿命が3年なのかどうかは完全には納得はできません。PCをはじめとするOA機器・ソフトウェアの売上を伸ばし、ひいてはIT業界全体の経済不振を払拭したいという狙いも見え隠れするからです。

しかし、ここはあまり深く考えずに世界中が「騙されて」、どんどんPC、OA機器、ソフトウェアの買い替えを促進させていくべきでしょう。そうすれば、世界同時不況も少しは持ち直してくるというものです。弊社でも早速、3台のPCを新規購入し、また私個人としても1台のPCを新規購入しました。

「景気刺激のため、家を買い換えろ」とか「車を買い換えろ」というのは、ちょっと大変ですが、「仕事の能率アップのためにPCを買い換えろ」ということであれば、世界経済発展のために「大海の一滴」を投じる価値はあるのではないでしょうか?