生産年齢人口の減少、日本が世界最速・OECD分析

2007.6.26 NIKKEI NET

経済協力開発機構(OECD)は25日、世界の労働力移動などを分析した2007年版の「国際移住アウトルック」を発表した。

・・・・(記事の転載ここまで)

日本の人口がこれから減少に転じて行くことはすでに広く知られていますが、中国やアメリカの人口が急増していることはあまり知られていません。

下記のデータは総務省・統計局のデータを私が編集したものですが、中国の人口は、過去11年間でなんと1億1,240万人も増えています。まさに日本の人口と同じ数が、たった11年間で増殖しています。

さらに「一人っ子政策」による抑圧や罰金刑により、戸籍に載っていない中国人が1億人はいる、との噂も絶えません。1億人という数の信憑性はともかくとしても、相当数いることはまず間違いないでしょう。

中国人口推移(単位:100万人)

1995年 1,211.2
2000年 1,267.4
2001年 1,276.3
2002年 1,284.5
2003年 1,292.3
2004年 1,299.9
2005年 1,315.8
2006年 1,323.6

さて、アメリカですが、同じく過去11年間で3,800万人も増えています。先進国のなかでは、突出した増殖ぶりです。ヒスパニック系住民がその原動力となっているため、これからはスペイン語を話すアメリカ人もどんどん増えていくことでしょう。

米国人口推移(単位:100万人)

1995年 263.0
2000年 282.2
2001年 285.1
2002年 288.0
2003年 290.9
2004年 293.6
2005年 296.4
2006年 301.0
(出所:総務省・統計局のデータを編集)

人口の増加はその国の活力を生み出します。アメリカは経済大国でありながら、かつ”若い”これからの国でもあるのです。

今回OECDは各国の2005年の年齢別人口をもとに、2020年までの生産年齢人口を予測しました。2020年までの日本の減少率はマイナス12%と、集計した28カ国中では突出して大きな落ち込みとなっています。一方のアメリカは6%のプラスです。

日本が現在のレベルの生産人口を維持するためには、今後毎年50万人の外国人労働者を受け入れていかねばならない(現在は約2万人)とのことです。

日本人はこれから、日本人だけで「貧しさを分かち合っていく」のか、それとも「清濁併せ呑む、他文化とのダイナミックな融合」を選ぶのか・・・・・・判断を求めらる時代が来ている、と言っても過言ではないでしょう。