台湾・英業達:大陸の翻訳ソフト市場に参入

2007.5.30 中国情報局

台湾の英業達(Inventec)は22日、中国大陸のソフトウェア市場へ参入すると発表した。世界に先駆け翻訳ソフトの「Dr.eye譯典通8.0」シリーズを投入する。

(中略)

英業達によると、世界の翻訳市場は年間売上が130億ドル以上で、そのうちアジア太平洋地区が30%を占める。現在の中国大陸の翻訳ソフト市場は、パソコンと携帯電話向けを含めても2億元足らず。一方、学習機器などハード市場は十数億元の規模があるため、今後の市場拡大に期待が持てるという。

・・・・(記事の転載ここまで)

「英業達によると、世界の翻訳市場は年間売上が130億ドル以上」とあります。これを今日の為替レートをもとに計算すると、

130億ドル×122円=約1兆6,000億円弱 ← (全世界の翻訳市場の規模)

1兆6,000億円×30%=約4,800億円 ← (アジア太平洋地区の翻訳市場の規模)

となります。一方、「中国大陸での翻訳ソフトの市場規模は、2億元足らず」とあります。日本円に直すと、2億元×15.9円=32億円弱 となります。

数字の根拠は何も示されていませんが、例によって翻訳の市場規模を過大評価しているフシがあります。

日本最大の翻訳会社「翻訳センター」の年間売上高が40億円であることや、翻訳支援システムで世界に先行した「TRADOS社」が、思ったよりも成長せずに、SDL社に身売りしてしまったこと、から判断しても、そんなに巨大なマーケットが存在するとはとても思えません。もっとも、正確なところは誰も知らないわけですから、すべて想像の域を出ませんが・・・・。

ただ、本当に使える良い翻訳ソフトが完成すれば、新たな市場が創造され、また違った展開が生まれてくる可能性も否定できません。