世界が見たNIPPON  「武器輸出三原則」の緩和で日本は再び軍事大国となるのか?

COURRiER Japon 2012年4月号の記事「世界が見たNIPPON」の中に興味深い記事がありました。

中国の週刊誌「南方人物週刊」の記事、「『武器輸出三原則』の緩和で日本は再び軍事大国となるのか?」です。

(以下、記事の抜粋)

2012年4月クーリエ・ジャポン

日本は先ごろ、武器の輸出を制限した「武器輸出三原則」を緩和すると宣言した。武器開発コストや購入のコストの高騰に対応するためだ。

第二次世界大戦中、日本は中国に多大な損害を与えたが、真摯に反省することはなかった。それもあって、このニュースは中国国内で大きな注目を集めている。

(中 略)

日本の通常動力型潜水艦の技術は世界をリードしている。

(中 略)

潜水艦の技術は通常の艦船より遥かに複雑なため、開発できる国は少ない。米国はすでに通常動力型潜水艦の開発をやめており、現在、通常動力型潜水艦の輸出大国と言えるのはドイツ、ロシア、フランスぐらいだ。

日本が武器輸出を解禁すれば、米国は通常動力型潜水艦の市場を日本が独占するように仕向ける可能性がある。

米国にとって、自分が占有できない市場は、言いなりになる盟友に牛耳らせておいたほうが安心できるからだ。

ドイツとフランスは他国の干渉を嫌うため、米国がこれらの国の武器輸出をコントロールすることはできない。

日本は(中略)武器の高いアップグレード率を誇っており、ほぼ5年ごとに新型モデルを開発している。

使用年数20年たらずで退役する潜水艦は世界でもまれで、こうした比較的新しい中古潜水艦は小国にとっては得な買い物となる。

(中 略)

武器市場で影響力が小さい日本が、すでに大国がひしめく市場に参入するのはまず不可能だが、退役した中古兵器を安価で売ることによって利益を得ることはできる。

一方で日本は、昔から優位に立っている分野(電子、光学、素材など)でなら、世界市場で一定のシェアを得ることができる。

あまり知られていないことだが、米軍で使用されている軍事用望遠鏡M-22Bは日本製だ。

また、米軍の標準装備であるライフル銃のナイト・フォース・スコープはドイツ製になっているが、実際の加工は日本メーカーに委託されている。

武器輸出の規制が緩和されれば、日本は高密度光学、電子モニター、レーダーなどの市場で一定のシェアを獲得するだろう。

国際的な技術水準アップも期待できる。

武器の開発コストは年々増加しており、武器の自給を目指し、国産武器を国内にのみ供給するのではコストが高くなりすぎる。

20年以上経済が低迷する日本が、この高コストのゲームを続けるのは不可能だ。

日本による武器輸出三原則の緩和は、経済的な要因によるところが大きく、政治的な要素はおそらく少ないだろう。

・・・・(記事の抜粋ここまで)

昨年末、日本の野田政権が発表した「武器輸出三原則の緩和」が日本国内ではほとんど見向きもされなかったのに対し、中国国内では大いに注目が集まっていたようです。

やはり周辺諸国は「日本が再び軍事大国への道を歩むのではないか」と常に警戒しているのでしょう。

またこの記事では、「これから日本が中古の武器を小国へ販売して、利益をあげるようになるだろう」とも予測しています。

しかし結論的には、日本がお金欲しさに中古の武器を売るようになっても、「政治的要素つまり軍事目的ではないので特に目くじらは立てませんよ」との発言で終わらせています。

この中国人ジャーナリストの余裕の発言は、中国が政治大国、軍事大国、経済大国であるからではなく、現実に中国が武器輸出国のひとつであるからだと思われます。

実は世界の大国はどこもかしこも「戦争ビジネス」大国でもあるのです。

戦後の日本が世界各国、特に発展途上国からかなり友好的に迎え入れられていたのは、ODA(政府開発援助)だけでなく、「戦争ビジネス」に直接的に手を染めていなかったからではないでしょうか。

古くなった武器を発展途上国へ売り、小競り合いに火に油を注ぎ、戦火が広がればますます「死の商人」が儲かるというしくみ「戦争ビジネス」は、「麻薬覚せい剤ビジネス」となんら変わりがありません。

日本が「貧すれば鈍す」国にならないよう願っています。