世界が見たNIPPON 「もう、国内だけではやっていけない・・・。新たな“開国”を迫られる震災後の日本

COURRiER Japon 2012年6月号  ”The New York Times” の記事より抜粋して要約

・ 震災の打撃と長引く円高の影響で、「産業の空洞化」はよりいっそう深刻さを増している。その裏で、雇用の創出のために「外資」を呼び込もうとする自治体も現れはじめた。

・「日本はもはや外国の助けなしでは成長できない段階まできているのです。中国企業でも米国企業でも構いません。ぜひ会津若松に来ていただきたい」(会津若松の室井市長)

・ かつては輸出や海外投資が盛んな「製造業大国」だった日本はいま、新たな現実を突きつけられている。日本はこれまで拒んできた外資系メーカーを、受け入れざるを得なくなっている。

・ いまはまだ小規模だが、資本が隣国の中国から流入してきている。

・「中国人はいまや救世主のように思われています。日本への投資はどんなものでも基本的に日本にとってプラスになります。雇用の拡大、税収および機会の増加を意味するからです」(財団法人国際貿易投資研究の所増田研究主幹)

・ 日本政府は海外からの直接投資を今後10年間で倍増させることを目指している。とりわけ岩手、宮城、福島3県への投資に重点を置くという。

・ 先進国の大半は外資を呼び込むためにあらゆることをしてきたが、日本は何十年も外資に不利な条件を課してきた。高い営業コストや税率、厳しい規制、乏しい行政支援などだ。

・ 国連のデータによると、日本はその経済規模に対して海外からの投資が最も少ない国の一つだ。

・ 一方、日本企業の多くはいまも国内より海外での成長のチャンスに投資することを好む。

・ 財務省の資料によると、2011年の海外直接投資は9兆3000億円の流出超で、日本の政策決定者が憂慮してきた「産業の空洞化」がより進んだ結果となった。

・ 「企業の海外流出を誰もが懸念しています。だとすれば日本はもっと外資に門戸を開いてバランスをとるべきです。日本への進出を検討するような外資系企業は競争力があり、生産性も高い。彼らは日本に投資し、雇用を創出し、高い給料を支払い、そして新しい需要の火付け役になるのです」(一橋大学の深尾教授)

2012年6月 クーリエ 対内直接投資

・・・・(以上で、COURRiER Japon記事の抜粋終わり)

日本企業はここ十数年のあいだ、新興国からの安い製品に圧倒され、国内市場を奪われ続けてきました。これからは逆に新興国市場を奪う戦略に切り替えていかねばなりません。

なにも特許や特殊技術を持った大企業だけが新興国市場で有利に立てるわけではありません。

たとえばここ十数年のあいだ、新興国の個人所得は急激に上昇しているため、日本人との所得格差も日増しに縮まってきています。

急激に豊かになる人々が何をもとめるのか、それはきっと新興国の人たちよりも日本人の方がよく知っているはずです。

また、日本人にとっては当たり前のサービスが、外国人にとっては新鮮な驚きという話はよく聞きます。

コンビニ、宅配便、引っ越しサービス、レストランやお店での接客等々、かゆいところに手の届くきめの細かいサービスにかけては、日本人の方が一枚も二枚も上手でしょう。

その感覚を活かして、製品づくりにおいても、新興国の人たちがより喜ぶモノを作ることができるはずです。

現地生産により、コスト面で現地企業に近づけるだけでなく、日本固有のアイディアやきめの細かいサービスで、現地企業を圧倒するシェアを奪うことだって、決して夢ではないでしょう。

それでは、それにより空洞化した日本の国内産業の穴はどう埋めればよいのでしょうか?

言うまでもなく積極的な外国資本の導入が不可欠です。

かねてよりの私の持論、「経営者の目の色や資本(紙幣)の色など何色だって構わない。一番大事なことは雇用」なのです。

日本政府は一刻も早く法人税の減額や積極的な規制緩和を行い、外資企業が日本国内に投資しやすい環境を整えていってほしいものです。