ヤフーとグーグル 提携発表

2010年7月28日 朝日新聞

インターネット検索で世界最大手の米グーグルが、同じく日本最大手のヤフーに、検索技術を提供することになった。今やネット検索は、日本人の暮らしや経済活動を支えるインフラだ。この技術を事実上、グーグル1社が握ることで、ネットから得られる情報の多様性が損なわれる恐れも指摘されている。

(以上記事終わり)

2010.7.28 朝日
<朝日新聞朝刊より>

2010年7月28日 日本経済新聞

インターネット検索で国内最大手のヤフーは27日、同分野で世界最大手の米グーグルと提携すると発表した。年内にも検索サービスの基本技術となる「検索エンジン」を、従来の米ヤフー製からグーグルに切り替える。米ヤフーは、米マイクロソフト(MS)と検索分野で提携している。グーグルは「MS・ヤフー連合」から日本のヤフーを奪う格好になり、日本のネット検索市場での存在感を一気に高める。

(以上記事終わり)

2010.7.28 日経
<日経新聞朝刊より>

・・・・(記事の転載ここまで)

このヤフージャパンがグーグルの検索エンジンを採用するという提携話には驚きました。今やネット検索は現代人の生活に欠かすことのできない「社会インフラ」となっています。特に私たち翻訳業界の人間にとって、このネット検索は仕事上必要不可欠の「ライフライン」と言っても過言ではないでしょう。

その検索技術が事実上、グーグル1社に独占されてしまうということは、長期的に見れば、やはり決して喜ばしいことではないはずです。

独自での経営が難しくなった米国Yahooは、マイクロソフトに買収されるか、それともグーグルと提携するかでもめ、結局昨年7月にマイクロソフトの検索エンジンを使用するという提携話で決着をみたばかりでした。

その米ヤフーは日本のヤフーに34.8%出資していますが、今や日本のヤフーの時価総額が2兆400億円、純利益216億円なのに対し、米ヤフーは時価総額が1兆7,000億円、純利益が186億円と完全に親子の逆転現象を生み出しています。セブンイレブンジャパンが米国セブンイレブンを買収して救済したのと同じことが今後行なわれるかもしれません。

かつてマイクロソフトのOSにより、PCが爆発的に普及し、IBMをはじめとする既存の大手コンピューターメーカーがダウンサイジングの波をまともにかぶり、多くの大手企業が市場から消え去っていきました。

その後わが世の春を謳歌したマイクロソフトもグーグルの出現により、その将来性すら危ぶむ声も出始めています。

今や飛ぶ鳥を落とす勢いのグーグルですが、そのグーグルでさえ、iPod、iPhone、iPadで見事に復活したアップルの後塵を拝しています。

まさに「一寸先は闇」、「生き馬の目を抜く世界」とはこのようなことを言うのでしょうか。つまりどこにも「安泰」はないということですね。