ホンダをエネルギー会社に

2007.7.19 日本経済新聞

日経新聞1面に興味深い特集記事が出ています。

「塗り替わる産業地図 ホンダをエネルギー会社に」というタイトルですが、以下が要旨です。

ホンダが二輪車工場の一角で、まもなく”場違い”な太陽電池の量産を始める。

太陽電池で得た電気で水を分解し、発生した水素で燃料電池車を走らせる。家庭が超小型の水素ステーションになり、ガソリンスタンドも送電線もない、新交通システムを生みだそうとしているためだ。

日米欧は2050年に温暖化ガス排出量を半分以下にする検討に入った。世界のあちらこちらで若い起業家がグローバル競争に挑んでいる。

Qセルズ(旧東ドイツ)は太陽電池の生産で瞬く間に京セラを抜き、世界首位のシャープに迫っている。今年6月には東京に事務所を開いた。

サンテック・パワー(中国)も太陽電池で世界第4位に躍進し、創業からわずか5年で米株式市場に上場した。

風力発電で世界第5位のスズロンエナジー(インド)は、相次ぐ買収でのし上がる姿から「エネルギー業界のミタル」と呼ばれている。

かつては世界の太陽電池生産の5割強を誇った日本企業のシェアは、現在では3割に落ちてしまった。

技術の目配りや投資判断を誤れば、異業種や新興企業にたちまち足元をすくわれてしまう。

21世紀を貫くであろう環境革命。日本企業にIT革命で経験したような停滞は許されない。

以上で要旨は終わりです。

21世紀もきっとIT革命は継続されていくでしょうが、日本企業や日本人が「革命疲れ」をおこしている間に、新興国では新たな「革命」が起こり、さらにそこに「環境革命」が加わっていく、と言うことでしょうか。

18世紀から19世紀にかけて西ヨーロッパで起きた「産業革命」の後始末を、21世紀の世界が「環境革命」によって尻拭いしようとしているわけです。

いずれにせよ、21世紀の翻訳業界にとって、この「IT」と「環境」が重要なキーワードになることだけは間違いないでしょう。