中国、大豆輸入10年で5倍

2010.8.24 日本経済新聞

中国の大豆輸入量は1999年度に1,000万トンを超え、当時最大の輸入国だった日本を追い抜いた。それから10年。2009年度輸入量は1999年度の4.9倍。主な供給国は米国、ブラジル、アルゼンチンだ。(後略)

(以上記事終わり)

2010.8.24 日経新聞
<日経新聞朝刊より>

・・・・(記事の転載ここまで)

上のグラフは中国と日本の大豆の輸入量を比較したものですが、現在中国はものすごい勢いでトウモロコシも輸入し始めています。数年内には現在世界最大のトウモロコシ輸入国である日本の1,600万トンを抜いて、中国が世界第一位のトウモロコシ輸入国になるのはもう確実でしょう。

また、中国が米国から輸入している大豆のほとんどは、遺伝子組み換え大豆だそうですが、逆に日本はしょうゆや豆腐の原料としては、ほとんどが遺伝子組み換えでない大豆を輸入しています。だから日本には影響は少ないのかというと、大間違いで、今後大豆にしてもトウモロコシにしても国際相場そのものが当然のことながら急上昇していくので、日本へも大きな影響が出てくることは必至でしょう。

「毒入り餃子」や「農薬漬けの野菜」など中国から輸入される食品は危ない、というイメージがやっと定着してきた日本ではありますが、「中国の食品なんか買ってあげない」といつまで言っていられるのでしょうか?食糧危機になったときに、頼んでも「日本になんか食料を売ってやるもんか」とならないことをただただ祈るばかりです。

一方で実は日本は1ヘクタールあたりの農薬使用量は米国の8倍で世界最悪というOECDの報告もあれば、いやそんな数値は意味がないという反論もあり、どちらが正しいのかよくわかりませんが、日本に食糧危機の影が静かに近づいてきているということだけは確かなようです。

農林水産省は、おいしい日本の食品をもっと積極的に海外へ輸出するべく「輸出促進対策」を打ち出していますし、優秀な日本の農作機械ももっと積極的に海外へ輸出していこうと画策しているようです。従って翻訳業界としてはそこら辺に新たなビジネスチャンスあり、と見ていいわけですが、しかし人間は、「腹が減っては戦はできない」のです。もっと根源的な食料自給率の向上のための政策を打ち出して欲しいと強く望みます。