ソフトバンク、中国ネット大手を傘下に・最大市場に攻勢

2008.4.30 NIKKEI NET

ソフトバンクは中国のインターネット大手、オーク・パシフィック・インタラクティブ(OPI、北京市)を傘下に収めることで同社と合意した。約400億円で株式の40%を取得、経営権を握る。急成長する中国ネット市場で携帯電話経由の情報提供など新サービスの拠点とする。中国のネット人口は今年、2億2000万人超と米国を抜き世界最大に浮上する。国内大手のミクシィや米グーグルなど米国勢も事業展開を加速しており、巨大市場を巡る攻防が激化する。

・・・・(記事の転載ここまで)

本日(2008年4月30日)の日経新聞紙媒体の1面トップはこの記事でしたが、例によってネット上に配布される記事は”無料”のため、詳細情報は載っていません。

したがって紙媒体からいくつかの情報を拾って下記に載せておきます。

1. OPIが運営するSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)「校内網」は、約2,200万会員を持ち、利用者数は日本国内最大手ミクシィの約1,300万人を上回る。

2. OPIの業績は非公開だが、毎月200万人が加入する巨大メディアに育っており、将来の株式上場をにらんで投資ファンドも出資している。

3. ソフトバンクは中国で約30%出資するアリババグループを通じ企業間電子商取引のシェア70%、消費者間競売サイトの80%を握る。OPIへの出資で主要なネット関連事業の布陣が整う。

4. 世界のネット大手はM&A(合併・買収)を加速している。

・ 今年3月には、米タイムワーナーのネット部門AOLが英SNS「ビーボ」買収を発表。
・ 米ニューズコーポレーションなどもSNS大手に出資している。
・ 米マイクロソフトが米ヤフーに買収提案をしている。
・ 米グーグルは中国のネット企業に出資するなどアジアへの攻勢を強めている。
・ 日本の大手SNSミクシィは、今春中国の上海に子会社を設立。
・ 日本のネット広告会社サイバーエージェントも中国のSNS「愛情公寓」の運営会社に出資している。

紙媒体からの情報は以上です。

さて、かねてより個人ユーザーが情報発信する際に用いる機器はPCからケータイへ、手段はブログからSNSへ移行すると言われていましたが、その動きが世界的な規模で始まっていると感じます。一般消費者をターゲットとした広告などは、益々その傾向を強めていくことでしょう。

私自身数年前からミクシィを始めましたが、確かに趣味や地域や出身校など限定された世界での情報交換や友達つくりにはとても役に立つ”社交場”だと感じます。

しかし、先日ミクシィ社長笠原健治氏の講演を聞いたところによると、ミクシィ加入者の73%が20歳代以下で、34歳まで含めると実に87.3%を占めるとのことでした。

現在においてはまだまだ若年層の”遊び道具”の域を出ていないのかもしれません。しかし、あの”ファミコン”も最初は”子供のおもちゃ”でしかなかったものが、今や世界を巻き込む一大産業に育っているわけですから、SNSも将来どう化けていくのかが楽しみです。

なによりも”言葉”を操る”遊び道具”ですから、当然そこには翻訳の需要も発生し、何らかの形で新しいビジネスチャンスが発生してくることでしょう。

さて、米国において最も人気の高いWebsiteは何でしょうか?
米国Hitwize社が調べた、訪問者数が最も多いサイト(2008年3月)の一覧が下記です。

当然第1位は、”Google”だと想像できますが、世界最大手のSNSである”MySpace”が堂々の第3位に位置し、第9位にも現在最も伸び盛りのSNS、”Facebook”がランクされています(わかりやすいように緑色の矢印をつけておきました)。

Top Website
http://www.hitwise.com/datacenter/rankings.php

また、同じくHitwiseからの資料ですが、米国SNSの上位10サイトのマーケットシェアを示したものが下記です。右端は「対前年比」ですが、既述の”Facebook”のほかに、”Club Penguin”や”myYearbook”なども現在急成長していることがよく分かります。

Top10 SNS
http://www.hitwise.com/press-center/hitwiseHS2004/social-networking-visits-in-2007.php