中小も脱・中国依存 製造業、ミャンマーやカンボジアにも拠点 立地分散で人件費抑制

2013.3.18 日経新聞

中小製造業がアジアの生産拠点を分散させる動きが広がってきた。主要進出先の中国で人件費が上昇。コスト競争力維持に向けミャンマー、カンボジアなどへの立地を探り始めた。繊維など労働集約型産業だけでなく、機械メーカーが技術流出防止の観点から拠点分散をめざす例もある。体力が乏しい中小にとって「次」の進出先選定の重要度が高まっている。

(後略)

2013年3月18日日経1

世界の製造業、それでも中国へ 巨大市場なお魅力

経済規模の拡大で権勢を増す中国。世界の企業家はその存在を無視できないようだ。国際会計事務所のデロイトやKPMGが企業関係者を対象にした最近の調査でも「中国重要」のシグナルが発せられた。沖縄県・尖閣諸島問題で、反日リスクに身構える日本勢。「脱・中国」だけでは世界最大市場をみすみす逃すことになりかねない。

デロイトと米競争力委員会が年明けに公表した「世界製造業競争力指数」。世界のグローバル企業の552人の経営者に製造インフラとしての各国・地域の競争力を評価してもらい、指数化した。1位はやはりと言うべきか、今なお「世界の工場」である中国だった。

注目すべきは、5年後の予想。日本では人件費の上昇や従業員の権利意識の高まりなどで、製造業の進出先として必ずしも有望でないという見方もある。それでも今回の調査では、中国が5年後も引き続き競争力1位の座を守るとの結果が出た。

(後略)

2013年3月18日日経2
(以上で記事は終わり)

上記2つは同じ日経新聞の記事ですが、並べて読んでみるとなかなか興味深いです。

3月18日の記事では「日本の中小製造業は、中国の人件費上昇や技術流出の懸念や反日感情のリスクなどの観点から、他のアジア新興国への工場移転を検討し始めた」という内容となっています。

一方、2月7日の記事は「米国の調査機関によると5年後の世界各国製造業の競争力は依然中国が首位を保つだろう。なぜならば世界の企業家が中国に熱視線を注ぐのはそこに市場があるからだ。KPMGは18年までに、BRICsの新車販売台数が世界全体の半分近くを占めると予測する。『売れる市場でモノを作る』。製造業の鉄則を踏まえれば、対中投資を積極化するのは当然の判断だ」とあります。

反日や中国経済の成長率鈍化で、対中投資戦略を見直すのは企業としては当然でしょうが、日本勢にとってはライバルの海外企業が今も中国を重点投資先として見ている事実を軽視することはできないでしょう。

最後に、今回の論点とはちょっとずれますが、記事の中に「日本貿易振興機構(ジェトロ)によれば、中国内陸部の武漢(湖北省)の一般工員の賃金は月333ドル(約3万円)。月3千ドル弱の米国、月4千ドル近い日本を大幅に下回る」とあります。

経済超大国米国の工場労働者の賃金よりも日本のそれは3割も高いなんて、日本の賃金体系はいったいどうなっているのでしょうか?シャープが倒産の危機に追いやられているワケもわかるような気がします。