川崎重工、中国で最大級造船所・低価格船、韓国に対抗

2007.6.19 NIKKEI NET

川崎重工業は2010年稼働を目指し、中国海運最大手、中国遠洋運輸集団(COSCO)と共同で大連市に中国の造船業で最大級となる造船所を建設する。総投資額は約600億円で、ばら積み船などを建造する。世界的な需要拡大で日本の造船業界は約30年ぶりに国内の生産能力を増強するが、川重は国内では液化天然ガス(LNG)船など付加価値の高い生産に特化。低価格分野は製造コストが安い中国で生産する分業体制を構築し、世界シェアトップの韓国勢に対抗する。

・・・・(記事の転載ここまで)

昨日のこのブログのなかで「国内の製造業に設備不足感が出始めている」と書いたばかりですが、今日このような記事が出てきました。国内の設備に不足感が出れば、海外に生産を委託するか、あるいは合弁で海外に工場を建てるのが一番手っ取り早いわけですから。

また、同じくNIKKEI NETの昨日の記事の中に、「川重、ボーイング新型機の機体工場新設、川崎重工業は米ボーイングの次期中型旅客機『787』の機体工場を愛知県に新設する。約200億円を投じ、2008年末の稼働を目指す」とあります。

さらに、6月15日のNIKKEI NETの中に「川重、橋梁・水門事業からの撤退を正式発表、川崎重工業は15日、橋梁(きょうりょう)と水門事業からの撤退を決めたと正式発表した」とあります。

日本企業の激しいスクラップ&ビルドとグローバル化をまさに絵に描いたような展開が見られます。

ところで、昔英国人から聞いたジョークを思い出しました。

「製品が売れて売れて、生産が追いつかなくなったらどうするか?

日本人は残業しても追いつかなくなったら、休みを返上して大増産に乗り出すでしょう。

アメリカ人は値段を上げるでしょう。

ヨーロッパ人は納期を延ばすでしょう!」

これはバブルのころに聞いたジョークですが、現在のヨーロッパはあのころとはずいぶん違うようです。冷戦の終結で旧東ヨーロッパの国々が西側経済に乱入し、ちょうど日本と中国のような関係になっているからです。

全世界を巻き込んだ経済発展の流れに、日本も乗り遅れないようにしてもらいたいものです。