NHKスペシャル 「縄文奇跡の大集落」

NHKスペシャル「縄文 奇跡の大集落~1万年持続の秘密~」を見ました。

2015年5月、イギリスのロンドンでオークションがあり、そこで日本の縄文時代の土偶が、なんと1億9,000万円で落札されました。

三内丸山3

なぜ、たかが土偶にそのような信じられない金額がつけられたのでしょうか?

それは、今、世界の考古学者の間で最も注目を浴びている話題が、日本の縄文時代であり、青森県の三内丸山遺跡(縄文時代の遺跡)において、世界の歴史や古代史の常識を覆す数々の新事実が発見されているからです。

三内丸山1

(上記の写真は「世界文化遺産登録」より ⇒ http://www.pref.aomori.lg.jp/bunka/culture/sannaimaruyama.html )

縄文時代に関する近年の発見や研究成果を下記にまとめてみました。

① 縄文文明は、今から1万5,000年前に始まり、1万前を越えるという長きにわたり継続した。世界のどの文明と比べても、これほどの長きにわたり継続した文明は他に例を見ない。

② 世界4大古代文明(エジプト、メソポタミア、インダス、中国)は、すべて農耕民族だったが、縄文文明は、狩猟採集民族だった。

③ しかも驚くことに、定住型で、かつ豊かな狩猟採集民族であった。狩猟民族は放浪し、貧しく不安定な生活をしていたというそれまでの世界の常識を覆した。

④ 縄文人は、今から1万4,000年前に世界に先駆けて土器を使い、煮炊きをしていた。魚介類を煮炊きし、食中毒を避け、ドングリを煮炊きし灰汁を抜いていたことが、最近の科学的調査によりわかった。また、お酒も造っていたらしい。

⑤ 三内丸山遺跡には、長さ32m、幅10m、収容人員300人という巨大な竪穴住居(上の写真)がある。また、謎の6本柱の高さ20mの建造物(下記の写真)は、直径1m以上、長さ20m以上の巨木を使い建築されている。これらの建造物を造るには高度な建築技術が必要であり、専門の技術者がいたことが予想される。また、この地に1,500年もの間定住していたことがわかっている。

三内丸山2

(上の写真はここより ⇒ http://ameblo.jp/hiromi1810/image-11586462501-12634823547.html )

⑥ ヒスイを使った耳飾り、芸術的なデザインの土器や土偶などから判断し、かなり高度な文明を持つ、定住型の豊かな狩猟採集民族であったことがわかる。

⑦ 三内丸山遺跡の集落の周りには、栗の巨木がたくさん見つかっている。縄文人は、栗の木を植林し、その実を食べていたと思われる。それ以外にも魚(ブリ、サバの干物)、森の動物、山菜などを狩猟採集し食べていた。

⑧ 三内丸山遺跡は、現在進行形で発掘が行われているので、今後再び世界を驚かすような、新たな発見があることが十分に予想される。

NHKの番組内容は以上ですが、この番組を見た私の感想は、「やはり日本人は筋金入りの狩猟民族だったんだ」ということです。このブログの中でも過去2回、「日本人は本当に農耕民族か?」というテーマを取り上げたことがありましたが、私の疑問に対する回答を得た気がします。