字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ

2007.4.2 SankeiWeb

本書は洋画の字幕翻訳者による、映画字幕業界の裏話&字幕翻訳者からみた日本語論。

ユーモア込めつづる業界裏話

映画と言語台本を渡されてから字幕をつくりあげるまで、わずか1週間ほどしかないということにびっくりしました。

・・・・(記事の転載ここまで)

上記は映画の字幕翻訳者が書いた本の紹介記事です。

かつて字幕翻訳のプロといわれる翻訳者やその業界関係者から、下記のような話を聞いたことがあります。

映画のセリフはすべて文字になっていて、 かつ、”it” とか “that” とか “them” とかの指示代名詞は、それが何を指すのかが、全て注釈で明らかにされているそうです。文章の主語が何なのかさえわかりずらい、技術翻訳の原文とはずいぶんと大きな違いです。

また、上記でふれているように「翻訳と字幕作成の期間がわずか1週間」なのだそうです。もともと字幕・映像分野の翻訳マーケットは規模が小さいうえ、それを一握りの著名な字幕翻訳者達が、短納期、低料金で仕事を請け負ってしまうため、料金相場が崩れ、この分野で翻訳者が生計を立てるのはかなり難しい、とのことでした。

ケーブルテレビやDVDの普及とともに、字幕・映像翻訳の需要も増えてきているとは聞いていますが、もともとの仕事の量が少なく、競争が激しい世界ですから、趣味を仕事に生かす、とはなかなかいかないようです。

同じ翻訳業ではありますが、字幕・映像関係の仕事は、われわれ技術翻訳専門の翻訳会社とはかなり違う世界のようです。やはり「餅は餅屋」ということでしょうか。