<所得格差>各国で拡大「平等社会」の中国でも IMF分析

2007.10.10 毎日新聞

国際通貨基金(IMF)は9日、最新の世界経済見通しのうち分析部分を公表した。IMFはこの中で「所得の国内格差が過去20年間にわたり、ほとんどの国や地域で拡大してきた」と指摘した。技術進歩と金融のグローバル化が格差拡大の主因と分析し、格差是正に向けて、労働者が世界経済に適応した技能を身につけられるように教育や訓練を強化する改革が必要だとの認識を示した。

・・・・(記事の転載ここまで)

「IMF(国際通貨基金)の調査によると、ほぼ全世界にわたって所得格差が広がっている。しかしその中において、日本国内の格差は世界的に見ると極めて小さいことも明らかになった」と、この毎日新聞の記事は触れています。

この「世界的に見ると日本国内の格差はきわめて小さい」という報道をしたのは、私が調べた限りでは、この毎日新聞だけでした。

「他国に比べて日本の所得格差は広がっている」という結果であれば、日本のマスコミは大騒ぎしたでしょうが、”期待”に反して逆の結果が出てしまったため、ひっそり静かに報道された、という点が、いかにも日本のマスコミらしいと、改めて感じました。

さて、問題は「IMFが分析した世界の所得格差の主因」です。

かねてより私が指摘してきたとおり、「技術進歩と金融のグローバル化」だと指摘しています。

その詳細についてはどこにも触れていないので、”私なりの解釈”で考えてみたいと思います。

まず「技術進歩」ですが、これはズバリ”過去20年間で、IT化に成功した企業か否か”につきると言っても過言ではないでしょう。

”IT”はほとんど全ての業界に影響を与えていますが、流通業を例にとれば、日本ではセブンイレブン、米国ではウォルマートがその顕著な例と言えます。

米国で始まった”POSシステム(Point of Sales System、販売時点情報管理システム)”をさらに強化・実用化したのが、日本のセブンイレブンでした。

当初、米国では、”従業員のレジの打ち間違い”や”レジのスピードアップ”を目的としてPOSを導入しました。

そのPOSを”情報の武器”として進化させたのが、日本のセブンイレブンでした。やがて日本のセブンイレブンは、本家である米国のセブンイレブンを買収することになります。

日本で進化したPOSは、再び海をわたり、世界最大の小売業ウォルマートは、徹底した情報管理により、今やメーカーまでをも、その支配下においてしまった話はあまりにも有名です(この件の詳細については、4月18日に私が書いたブログをご参照ください)。

さて、もう一つの原因「金融のグローバル化」ですが、私はこれも、世界の証券マーケットがIT化”されたことにより、資金調達がより円滑化されたため、と解釈しています。

短期間に大量の資金を集め、ライバル企業を合併・買収し、世界での拠点を広め、そのとき一番儲かる地域に重点投資をする。かつ、大量の資金を使って、さらなる”IT投資”を進め、”寡占化”、”独占化”をより強烈に推し進めていく。

経済のグローバル化に、”翻訳”が不可欠であることは、言うまでもありませんが、そのグローバル化が、世界中の所得格差を助長してしまっているわけです。

しかし、残念ながら、この流れはもう誰にも止められません。”格差の是正”については、途上国への援助等、違う形で行っていくほかありません。

19世紀、20世紀に繰り返された人類の愚かな歴史、”植民地支配と戦争”よりは、まだマシだ、と後ろ向きに肯定せざるを得ないからです。