オープンウォータースイミング

皆さん、オープンウォータースイミング(OWS: Open Water Swimming)という言葉をご存知でしょうか?

通常の水泳競技は50メートルもしくは25メートルのプールで行われますが、このOWSは、海や湖や川などの自然の中で行われ、5キロメートル、10キロメートル、あるいはそれ以上の距離を泳いで順位を決める競技です。

オリンピックでも2008年の北京大会から正式競技として採用され、現在に至っています。ちなみにオリンピックのOWSは、海上10キロメートルの距離を2時間ほどで泳ぎ決着がつけられています。

さて、私はかねてより、世界中のエメラルドグリーンの海を島から島へ泳いで渡る「島めぐり」をしてみたいと願っていました。水泳を始めたのは今から28年ほど前ですが、それ以来、ほとんど毎週末、ジムのプールへ通っています。10年ほど前からは、毎日曜日に3,000メートルほど泳ぎ、時には気まぐれに5,000メートルを泳いだりもしています。

そこで将来の「島めぐり」にそなえるため、今年(2016年)の7月に夏休みを兼ねてTIスイム(注1)のグアムキャンプに参加しました。

(注1) TIスイム(Total Immersion Swimming)は、競泳のコーチとして30年以上の経験を持つ米国のテリー・ラクリンが、一流選手の泳ぎ方や流体力学、船舶工学などに基づき体系化した水泳の練習方法です。1989年より成人を対象にしたワークショップを全米各地において開催し、毎年二千人以上が参加しています。日本では2005年にスタートしました。

キャンプは3日間でしたが、移動日を含め4泊5日をグアムで過ごし、充実したスイミングライフを満喫することができました。

プールで練習の合間に記念撮影

プールで練習の合間に記念撮影

キャンプの内容を一言で言えば、OWSやトライアスロンを目指す人達のための実践的な講習会ということになります。30歳代から60歳代?までの男女16名が参加し、コーチ(インストラクター)は2名でした。

午前中はプールセッションの後にプライベートレッスン、午後は海へ移動し、OWSセッションが行われました。プールセッションは、競泳オリンピック日本代表チームが合宿に使っているというプール(上記の写真)で行われたのですが、美しい景色と充実した設備の中で、連日晴天に恵まれ、気持ちよく練習することができました。

特に各自の泳ぎをコーチがビデオカメラで撮影してくれたので、あとでその映像を見ながらじっくりと泳ぎの改善をすることができました。青空の下で自然に泳ぐ姿を、水上(前からと横から)と水中(前からと横から)、4方向から撮ってもらえ、とても参考になりました。もちろん、プライベートレッスンでのワンポイントアドバイスがたいへん有益だったことは言うまでもありません。

OWSセッションは、グアムのきれいなエメラルドブルーの海で行われました。プールでの泳ぎがそのまま海では使えないので、海特有の泳ぎ方やルールを学ぶ必要があります。細かいことを言えば色々あるのですが、一番の違いは方向確認の仕方でしょうか。

当たり前のことですが、海にはプールの底に書いてあるラインがありません。そのため、プールでの泳ぎを海ですると、今自分がどの方角へ向かっているのかがわからなくなります。自分ではまっすぐ泳いでいるつもりなのに微妙にずれて、気がついたら思わぬ方角へ向かっていた、ということになります。

そのため息継ぎとは別に定期的に頭を前方へ上げ、方向確認をする必要がでてきます。これをサイティング(sighting)と呼びますが、このほかにも、方向修正(correction)や方向転換(turn)や前の泳者の直後についてできるだけ体力を温存するコツなどを教わりました。

そしてキャンプ最終日の午後は、1,500メートルのOWSのミニコンペティションが開かれました。下記4枚の写真がその時の様子です。コーチ二人がこのときの様子を全て動画で撮影してくれたのですが、その動画を静止画にしたものなので、画質は悪いですが、雰囲気はなんとなくわかっていただけると思います。

スタート直後の映像(その1)

スタート直後の映像(その1)

スタート直後の映像(その2)

スタート直後の映像(その2)

スタート直後の映像(その3)

スタート直後の映像(その3)

ゴール直前の私

ゴール直前の私

今回のキャンプ参加者の中には、すでにOWSの大会やトライアスロンの大会に参加経験のある人達も多かったのですが、私はそのような人達の中で、必要なテクニックを身につけ、初めての海をエンジョイすることができ、とてもラッキーだったと思います。

ところで話は変わりますが、このように私は水泳が大好きで、もはやライフワークのひとつと言えるのですが、その私が「塩素アレルギー」であることが最近判明しました。

私は以前からアレルギー性鼻炎に悩んでいたのですが、ここ数年はその症状が悪化し、酷いときは一日でティッシュの箱を使い切るほど鼻水とくしゃみに悩まされていました。そして半年ほど前にプールで泳いでいる最中に突然鼻がつまったことをきっかけに、病院で血液検査をし、塩素アレルギーであることが判明しました。

ご存知のように日本のプールの水にはどこも消毒用の大量の塩素が混入されています。O157やノロウィルスその他の流行により近年塩素の量がより増えてきているように感じます。

医者には「水泳をやめて他のスポーツに切り替えたら?」と軽く言われましたが、「絶対に水泳はやめられません」が私の答でした。

ではどうしたか?

数ヶ月前より、シンクロナイズドスイミングの選手が使っている鼻栓を使い始めました。水泳は口で息を吸い、鼻で息を吐くのが基本なので、口で吸い、口で吐くことに最初はとまどい、冗談抜きに苦しくて溺れそうになりました(笑)。

最近やっと慣れてきて、なんとか鼻栓をしながら泳ぐことができるようになりました。ただ、残念ながら以前のようにリラックスして楽に泳ぐというわけにはいきませんが、泳げないよりはずっとましと思いながら泳いでいます。

グアムで一緒に泳いだメンバーの中にも塩素アレルギーの人が3人いましたし、リオデジャネイロオリンピックの競泳を見ていたら、鼻栓をして泳いでいる選手も見かけました。また、ネットで「鼻栓」を検索すると、私のようにプールの塩素アレルギーに苦しみながら、「鼻栓」を買いもとめている人達が結構いるということも知りました。

グアムのプールでは鼻栓などを使わなくても塩素アレルギーの症状は出なかったので(屋外だったから?)、日本のプールの塩素基準に問題があるような気もします。しかし、最近は、塩素を使わず別の方法で消毒するプールも出始めているようですから、あまり将来に悲観することなく、これからも生ある限り、スイミングライフを楽しんでいきたいと思っています。